『なす術なし』チラシ 表[拡大]
『なす術なし』チラシ 裏[拡大]
《あらすじ》
嘉永七年(一八五四年)、春。
伊豆は下田の港を目指して
裏街道をひた進む、
ふたりの若者がいた。
吉田松陰二五才、
金子重之助二四才。
その前年に四隻の黒船を
率いて浦賀を訪れたペリーが、
下田の港へやってきて
いるからである。
しかも、こんどは七隻もの
黒船を率いて。
ただ、ふたりが本当に
目指していたのは、
黒船でもペリーでもなかった。
黒船のさらに彼方、
広がる海のはるか彼方、
まだ見ぬ、果てなき
世界だった……。
の、だが。
病気の治療のために、
下田より一里ばかり北にある、
蓮台寺温泉を訪れた松陰。
野宿するつもりでいたにも
かかわらず、
ひとりの老人の家に
厄介になることになってしまう。
そこは、いっぷう変わった
人々が集う、
いっぷう変わった、
小さな世界だった……!
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